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沿革

リップジャパンは、関連会社のメディアインターフェイスの事業の中から生まれました。
データベースとさまざまな形式のコンテンツの間を結びつける、という点で、両者の事業分野はつながっています。

JEIDAのコンピュータ統計データベースシステム開発

1994年当時、メディア・インターフェイスはJEIDA(コンピュータメーカーの社団法人、現在はJEITA)の委託でコンピュータ統計データベースシステムを開発しており、そこではオンラインで統計グラフを表示することが大きな課題となっていました。
調査の結果、当時米国のBBS分野で広く普及していたグラフィック通信言語、RipScrip(Remote Imaging Protocol)が候補として浮かび上がりました。カリフォルニアのTELEGrafix社の開発したスクリプト言語です。
当時の日本は、無手順のパソコン通信(NiftyやBiglobeなど)全盛時代で、インターネットも、WEBも、普及前夜の段階でした。RipScripを使用すれば、パソコン通信の基盤の上に、高速なグラフィック表示が実現します。
当時の米国では、このようなグラフィックBBSが全盛だったのです。ほとんどすべての通信ソフトは、RipScripを実装していました。

グラフィック通信言語の日本語化で補助金獲得

しかし、RipScripは日本語化されておらず、日本語化とライセンスの取得には多額の費用がかかります。
そこで目に入ったのが通産省が募集していた「ネットワーク21」という補助金制度です。これに応募した結果、事業費1億1000万円の「パソコン通信のグラフィック化支援事業」の提案が通りました。
8月の募集、9月はじめの締切りで、10月には決定という予定が12月になり、橋本龍太郎通産大臣の公印の押された採択の文書が届いたのは12月の下旬でした。
それからは、通信ソフトの日本語化に加えて、テストBBS局として3局の開局、セミナーの開催など多彩な事業の展開に嵐の日々が続きます。事業期間3月末まで、それまでにすべての事業を完了させなければなりません。
時差のため、深夜の1時頃にTELEGrafix社のパット・クローソン社長に電話をかけ、契約案の条項について議論したり、事前に準備していたパートナー会社と打ち合わせしたり....。あまりの激務に、米国についた翌朝には、ベル麻痺を発症してしまったくらいです。(ビートたけしもわずらった「顔面神経痛」です)
多くの会社とフリーのデザイナさんなどの協力を得て、なんとか、期限内に事業を完了できました。
完了検査の際、審査官に採択の理由を聞いたところ、技術内容の他に、テスト局開局やセミナー開催など、普及のための手立てが尽くされていることが評価された、とのことでした。

会社設立

その後、取引先のジー・サーチから、オンラインデータベースに使用するためのテストシステムの開発を受注したり、神戸の大手通信販売の会社からBBSへの使用を打診されたりして、事業化の環境が整ったと判断し、1997年8月にリップジャパン株式会社を設立しました。
設立と同時に、RipScripを使用して実際の応用システムを開発するためのアプリケーションの開発に着手します。
通信プロトコル(言語)と、そのクライアントソフトがあっても、それらを使用して応用システムを実現するためのサーバ側の仕組みが提供されなければ、新技術は普及しません。
このようにして、汎用コンテンツ生成システムの開発が始まりました。

汎用コンテンツ生成システムの開発

当初ターゲットとした応用分野は、ネットショップとオンライン新聞でした。
開発にあたって、次の要求仕様を設定しました。
 1. WEBやDTPなど、RipScrip以外の言語、用途にも対応できるようにする
 2. ページのカスタマイズだけでなく、サイト構造も自由に定義できるようにする
もともと、メディア・インターフェイスは「週刊地球環境情報」など、データベース出版を大きな事業分野としていました。そのための経験と資産も豊富です。しかし、それまでのデータベース組版システムは、perlやawkなどのスクリプト言語を使用して、それぞれの用途専用のシステムとして作られていました。
この技術をベースにして、それを汎用的に拡張する方向で、汎用コンテンツ生成システムが開発されました。
実際には、この数年の間に、WEBの急激な普及とともにRipScripは残念ながら陳腐化したため、最初の製品のe-SITEmaster/SHOPは、WEB対応の製品として1999年にリリースされました。開発にあたっては、東京都中小企業振興公社の新技術開発助成金(300万円、2/3補助)を活用しました。
WEB向けの製品として開発されましたが、システムの仕様は上記の要求仕様を満たす形で開発されます。この汎用性は、2007年のphp言語を使用したアンケートシステム(メディア・インターフェイス開発)の開発の際も威力を発揮します。