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技術的特徴─サイト生成定義を外部化

e-SITEmaster(イーサイトマスター)の最大の特徴は、生成するサイトについて、自由度が極めて高いことです。
たいていのWEBサイト生成システム(CMS)は、「デザインとプログラムの分離」を行い、WEBページのデザインはテンプレート(雛形)で設定できるようにしてあります。
しかし、サイト構造は、プログラムの中にじかに書かれており、これを変更しようとするとプログラム本体の変更が必要でした。
e-SITEmasterは、一歩進んで「サイト構造とプログラムの分離」を実現しました。
これにより、e-SITEmasterでは、プログラムを変更することなしに、生成するサイトの構造を自由に変更することができまるようになりました。

プログラムの外の設定ファイルでサイト構造を定義

WEBサイト生成システム(CMS)の技術的構成 (1) 一般のCMSシステム
一般のWEBサイト生成システム(CMS *注1)、特にネットショップ生成のように用途が特定されているものでは、どのようなサイトを生成するのかという情報、つまり「サイト生成定義」は、プログラム本体の中に書かれています。
各ページ(たとえば、TOPページ、一覧ページ、詳細ページ)のデザインは、テンプレートファイルとしてプログラムの外に置かれており、これを変更することによってそれぞれのデザインを自由に変更できるようになっています。
つまり、「ページデザインとプログラムの分離」がなされています。
しかし、どのような構成でサイトを作るのかという「サイト生成定義」は、プログラム本体の中に組み込まれており、これを変更しようとしたら、プログラム自体を変更する必要があります。
これには高い技術が必要で、また、一度変更してしまうと、そのシステムの開発元がセキュリティアップデートをした場合など、それを反映するのに多大の手間がかかります。

(2) e-SITEmasterでは
これに対して、e-SITEmasterは、「サイト構造を自由に変更できるようにする」という設計思想のもとに開発されました。
そのため、「サイト生成定義」は、プログラムの外に、ユーザが自由に定義できる形で、配置されるようになっています。
ちょうど、テンプレートファイルを変更すればページデザインを自由に変更できるように、「サイト生成定義ファイル」を変更すれば、生成するサイトの構造を自由に変更できることになります。このファイルは、具体的には
genpage.txt (GENerate PAGE の意)
というファイルです。

一般のCMSシステムが、「(ページ)デザインとプログラムの分離」を実現しているとしたら、e-SITEmasterはさらに一歩進んで「サイト構造とプログラムの分離」を実現しています。
これが、e-SITEmasterでは、生成するサイトを自由に設定できる理由です。

プログラムに組み込まれた「ページタイプ」

もっとも、e-SITEmasterでも、プログラム本体の中に、生成するページの「なりたち」についての情報が組み込まれています。それが、「ページタイプ」です。
ページタイプは、サイト内に生成する各種のページについて、その中に組み込まれるデータ構成を分析し、典型化したものです。
具体的な例に即して、説明しましょう。
・singleタイプ
e-SITEmasterでは、ショップデータベースと商品データベースの二つのデータベースがあります。
このうち、ショップデータベースの情報のみを反映し、1ページのみ生成されるページを
sinlge タイプ
と名づけます。
サイト生成定義ファイルの中には、singleタイプは、1つのページについて1行で記述されます。
そのなかには、使用するテンプレートファイル名、ページを生成する場所とファイル名などの情報が書かれています。
会社概要、個人情報保護のページなどが、singleタイプで作成されるページです。
・catalogタイプ
商品データベースの1レコードにつき1ページずつ作成されるのが、catalogタイプです。
この場合は、条件に一致する複数のレコードについて1ページずつ作成されますから、普通、catalogタイプ1行の記述で、複数の「商品詳細」ページが作成されます。この行には、商品デーベースから抽出する条件(SQL文 *注2)、テンプレートファイル名、作成する場所などが書かれています。
なお、ショップデーベースの全項目は、全てのページタイプの中に反映させることができます。

そのほか、大分類の一覧を表示するページタイプ、ある大分類に属する小分類の一覧を表示するページタイプ、特定の大分類(たとえばトヨタ車)と小分類(ツーシートのスポーツ車)の組み合わせの商品の一覧を表示するページタイプなど、あわせて10あまりのページタイプが規定され、プログラムに組み込まれています。

サイト生成定義ファイル

サイト生成定義ファイル(genpage.txt)の中には、
 ・ページタイプ
 ・作成する場所
 ・作成するファイル名
 ・データベースから抽出する条件
 ・テンプレートファイル名
などが書かれた行が、複数行含まれています。
このようにして、どのようなサイトを作成するか、具体的な構想と設計の元に、必要なだけ生成定義の行を書いていきます。

具体例に即して、説明しましょう。
このリップジャパンのサイトの中には、「サービス」、「製品」、「技術」の分類に含まれるページ系列のほかに、「ニュースリリース」、「ネットショップニュース」などの別扱いの系列があります。
この二つの系列は、双子のように構成が似ています。
そのうち、ニュースリリース関係のページ系列を作成するために、genpage.txtの中には、合計3行の生成定義が書かれています。それぞれ、以下のページ、または、ページ内に組み込まれる「部品」を生成します。
 ・ニュースリリース一覧ページ
 ・ニュースリリース詳細ページ
 ・ニュースリリース用右ナビ部品
 ここで「部品」とは、最終的にWEBサイトに配置されるページではなく、その中に組み込まれる一部分を「部品」として作成したものです。
また、これら3行の生成定義に対応するテンプレートも作成します。

この3行の生成定義を少し変えれば、同様にブログ風の「社長のエッセイ」をサイトに追加することも容易です。
このように生成定義を追加する作業は、一般のCMSシステムで同じ作業を行うことと比べればはるかに少ない作業量で済み、また、プログラムの専門知識が無くても可能です。
大店のサービスで、カスタムプランの初期費用が他社サービスと比較してとても低額なのは、e-SITEmasterを使用した開発が効率的で低コストで済むためです。


*注1 CMS
Contents Management System の略。
WEBサイトの生成を容易に、また、矛盾なくできるようにするシステムのこと。
ホームページビルダーなどのホームページ作成ソフトでは、ページ単位でWEBページを作成する機能があるが、それらの一覧ページを作成したり、ページ間のリンクを設定するには、ユーザがすべて手作業でしなければならなかった。
これにたいして、CMSでは、同種のページのデザインを同じにしたり、ページ間のリンクを自動で作成したりすることができる。

*注2 SQL文
データベースを操作する命令を記述したテキストのこと。
操作する対象のテーブル名と項目名、抽出条件、ソート順などが書かれる。